世界最古のカクテルは古代エジプトのミックスドリンクかもしれませが【エル・ドラケ】も非常に古いカクテルです。
1570年代にイギリス海軍のフランシス・ドレイク(Francis Drake)氏が考案した強壮剤的な飲み物です。
フランシス・ドレイク氏は、1543年イギリス・デヴォン生まれ。
20代半ばで船を持ち船長となります。
1567年ドレイク氏の船団がスペイン艦隊に襲われ、ドレイク船長は命からがらで逃げてイギリスへ戻ります。この頃からスペインに強い恨みを持ちます。
1570年にイギリスから新たに出航し、スペイン船を襲い海賊行為を始める。
1580年9月に帰国するまでの10年間は、新大陸スペインを荒らし、船や植民地を襲って金品を強奪していた頃です。
当時フランシス・ドレイクのクルー達は、壊血病に苦しんでいました。
壊血病は、ビタミンCの欠乏によっておこる病気で、身体中にアザがでてきたり、皮膚が乾燥し潰瘍が広がり、血管に損傷を与えたり、歯肉の出血も続き歯も抜け落ち死にいたるという酷い病気です。
航海中、乗組員の大半が壊血病にかかったため、治療と船の修繕が必要となりキューバで足止となりました。
ドレイク氏は、様々な病気の治療法を知っている南米インディアン人から壊血病を治す薬の調合を聞いていたといいます。
薬には、柑橘類、薬草、強壮効果のある樹皮、糖類、殺菌と薬効効果としてアグアル・ディエンテ(サトウキビの醸造酒にスターアニスなど加えて一回蒸溜で造られたのスピリッツ)が必要でした。
ドレイク氏達は、病気のクルー達を治療するために薬の材料調達に奔走し、アグアル・ディエンテ、チュチュワシの樹皮、ミントの葉、サトウキビ、ライムジュースを揃えて強壮剤を作りました。
クルー達に飲ませると、それが効果的であることが判明したといいます。
この頃、キューバの人々も同く壊血病に悩まされており、フランシス・ドレイク氏の部下であるリチャード・ドレイク氏がレシピをキューバの人々に伝え、時代と共にベースがラムになり、後に「MOJO」とも呼ばれ「MOJITO」となったと言われます。
1580年イギリスに帰国したフランシス・ドレイク氏ですが、海賊行為で稼いだ海賊マネー60万ポンドをイギリスに献上します。この金額は当時のイギリス国家予算3年分だったそうです。
イギリス大英帝国を築き上げた背景には、海賊マネーの力があり、国益のために必要不可欠で、ドレイク氏の海賊行為は許されていたようです。
1587年カディス遠征。
1588年のアルマダ海戦で、イギリス艦隊副司令官だったドレイク氏。
一行のイギリス海軍がスペインの無敵艦隊アルマダを破ります。
イギリスでは敵を打ち破った英雄でしたが、反対にスペイン側からは悪魔の象徴であるドラゴンを意味する「El Draque(エル・ドラケ)」と呼ばれ恐れらました。
フランシス・ドレイク氏が作ったとされる壊血病の飲み薬は、やがてニックネームで呼ばれ、カクテル名は1588年より"El Draque"となったといいます。
1570年代に壊血病の強壮剤で作られ、1588年に名づけられたカクテル「エル・ドラケ」。
レシピ
Aguardiente
Lime juice
Sugarcane syrup
Hierba Buena
Chuchuhuasi
Spices
明日の八戸ark LOUNGE&BARのゲストシフトで再現し提供致します。
ご予約頂いた皆様、有難うございます。
皆様にお逢い出来ることを楽しみにしております。