2020/10/05

宇宙で咲いたバラ「オーバーナイト・センセーション」

宇宙で咲いたバラ「オーバーナイト・センセーション」の話

「ノンアルコールジンNEMA0.00%」に使用され、株式会社アサオカローズ様で無農薬で育てられている薔薇”オーバーナイトセンセーション”

オーバーナイトセンセーションが宇宙で花を咲かせた日が、カクテルバー・ネマニャの開店記念日と同じご縁もありNEMAにブレンドする切っ掛けにもなりました。


 1998年10月29日ケネディースペースセンター39B発射台から打ち上げられたSTS95ミッション、ディスカバリー号。

搭載された実験用器具の中にウィスコンシン大学で開発されたアストロカルチャーに収められたバラの株がありました。

アメリカのマサチューセッツ州ノーイースト社が開発した薔薇「オーバーナイト・センセーション」です。




香りの成分を無重力状態と地球上とではどのような違いがあるかを探るために実験用材料に選ばれました。

これが宇宙空間で初めて花を咲かせる植物となりました。
  
 このミッションには2度目の飛行となる日本人ミッションスペシャリスト向井千秋さんと77歳にして2度目の宇宙飛行にチャレンジする史上最高齢のジョン・グレン合衆国上院議員が搭乗して話題になりました。

今回の実験もこの二人の他にペドロ・デューク氏とスティーブ・リンゼイ氏が関わりました。

バラの花の発達、開花をビデオ撮影することと、香りのサンプルを採取。

香りの採取方法はニューヨークのインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス社(IFF)によって開発されました。

特別仕立てのシリカコーティングされた針を使用して芳香分子を吸着。

針は直接バラの花に刺されずに花弁付近に漂う分子の採取。

吸着された成分は針におよそ2週間そのままで封じ込めることができるもの。

4日間連続で一日約30〜40分間、この香りの実験に費やされたといいます。

関心を集めたのは香りの成分にどのような違いがあるかという点で、特にアイソマーと呼ばれる分子の構成比率で、重力がどのような影響を及ぼすか、エッセンシャルオイルの分析をする事でした。

地球上での香りと本来花の持つ香りが違うかもしれないし、多分本当に違うと思われる。

この実験を地上で支援したのが前出のIFF社のムーカリー博士であった。

何種類もの花が候補に上ったが最終決定は至極簡単であった。

“バラのように世界中の人から愛されている花はない”の博士の一言で香りの強いオーバーナイト・センセーションになったといいます。

打ち上げ直前までかかって10株が選ばれケープ・カナベラルに運ばれた。

最終的に一株を選ぶのにミッションの最中に開花すること、打ち上げ時にかかる4Gといわれる重力に耐えること等があったが、実際にバラの花がそのような環境に置かれたことがないので未知の部分もありましたが、実験中に1輪咲けばよかった花が2輪咲いたとの事です。

向井千秋博士が前回のスペースラブの研究成果を買われてこの実験のリーダーとなったといいます。

バラを軌道上に乗せるというアイデアを彼女も非常に喜び、“今までコンピューターと科学だけの宇宙空間といった人々の抱くイメージを変えてくれるし、人工的な環境の中だけにバラの花を見られるのは最高に幸せです。”とコメントしています。