アメリカ生まれのカクテル年表
●1830年代 【SAZERAC / サゼラック】
1830年代にニューオリンズ生まれのカクテル。
1849年 【BLUE BLAZER / ブルー・ブレイザー】
1849年に伝説のバーテンダーJerry Thomas氏が考案。
●1850年代 【PISCO PUNCH/ ピスコ・パンチ】
ピスコ・パンチは、カルフォルニア・ゴールドラッシュ時代の最中の1850年代に考案されたカクテルです。
考案者はサンフランシスコにあったBank Exchange & Billard Saloonのスコットランド人バーテンダー、DUNCAN NICOL(ダンカン・ニコル)氏です。
ニコル氏のレシピは、上記材料にパイナップルとスパイスを煮詰めた水、ワイン、コカインが加えられていたとされています。
ニコル氏は、厳密なレシピを秘密にしたまま他界し、オリジナル・レシピは謎に包まれたままとなりました。
コカインの使用は中毒性を高めるために使用されたと言われており、当時コカインの使用は合法でした。
またオリジナルに加えられた煮詰めた水は、パイナップルやシナモン、クローブをはじめとするボタニカルを蒸留した芳香蒸留水のようなものでもあったとか。
Bank Exchange & Billard SaloonのCEOは、ニコル氏と技術特許で争い、1887年にニコル氏が勝利しピスコパンチの知的財産権を獲得し、バーテンダーから店のオーナーへと昇進します。
ピスコ・パンチは、1850年代から1906年4月18日のサンフランシスコ大地震までは、サンフランシスコの財産的な飲み物となり歴史を刻んだ重要なカクテルとなっていました。
流行していた頃、サンフランシスコに訪れた観光客は、3つの事をしなければならないと言われていました。
1. サンフランシスコの丘陵街からケーブルカーに乗ること。
2. ゴールデンゲートに沈む夕日を見ること。
3. ピスコ・パンチを飲むこと。
●1860年代から1870年代 【マンハッタン】
1860年代から1870年代にかけて登場したカクテル。最初の文献は1882年9月5日のニューヨークのOlean Democrat紙で掲載。
●1870年代 【ニューヨーク・サワー】
1870年代後半にシカゴのバーテンダーが考案 。
●1895年 【WIDOW'S KISS / ウィドウズ・キッス】
1895年にニューヨークの Holland HouseのバーテンダーGeorge J Kappele 氏が考案。カルバドス 1/2、シャルトリューズ・ジョーヌ 1/4、ベネディクティンDOM 1/4、アンゴスチュラ・ビターズ 2ダッシュをシェークしたショートで、カルバドス、シャルトリューズ、ベネディクティンが同量のレシピもある。
●1910年代 【FANCIULLI / ファンチュリ】
1910年代に登場したカクテルで、アメリカ海兵隊楽団のFrancesco Fanciulli氏にちなんで名付けられたカクテル。レシピはRye whiskey, Sweet vermouth,Fernet-Branca
●1917年 【LAST WARD / ラスト・ワード】
1917年にアメリカ・デトロイトのデトロイト・アスレチック・クラブで考案されたカクテル。
禁酒法時代の創作だったための作者名は伏せられていたと言われます。
その後、2004年にシアトルの「ジグザグ・カフェ」のバーテンダー、マレー・ステンソン氏が1951年刊行のカクテルブック「ボトムズ・アップ」に記載されていたレシピを再発見し復刻させ、現在のグローバル・スタンダードとなっている。
●1933年 【ブラウン・ダービー】
ブラウン・ダービーは、1933年ハリウッドにあったVendôme Café(ヴァンドーム・カフェ)のバーテンダーが考案したもので、カクテル名は当時ハリウッドで人気だったレストラン「Brown Derby」にちなんだものとされています。
レシピは、バーボン1/2、グレープフルーツジュース1/4、ハニー1/4をシェークしたショートです。
似たレシピが既に1920年代に登場しており、そのカクテルのアレンジではとも言われます。
●1940年代 【Fog Cutter / フォグカッター】
1940年代、レストラン トレーダー ヴィックスのオーナーであるVictor J Bergeron氏が考案したティキ カクテル。
ラム、コニャク、ドライジン、レモンジュース、オレンジジュース、オルジェー・シロップにオロロソ・シェリー をフロートしたティキカクテル。
●1975年 【アラバマスラマー】
アラバマ・スラマーは、1975年にアラバマ大学で生まれたカクテルとされています。
大学で誕生した当初はショットでシューター・スタイルであったようです。カクテル名のSlammerは「To slam a drink(ドリンクを一気に飲む) 」の言葉からつけられており、元々がシューター・カクテルであったことが由来しています。
楽しみ方は2つ。ロングドリンクとして飲んでもよいし、注ぎ分て皆んなでショットで楽しんでもよいカクテルです。
後にアメリカン・フットボールのGreen Bay Packersのクォーターバックで知られたBrett Favre氏がこのカクテルを好み有名にし、80年代にはTGIフライデーズでもピッチャーで提供していたことでも知られ、1988年の映画「カクテル」ではセリフでアラバマ・スラマーが登場したことで不滅のカクテルとなったのかもしれません。
レシピは本当に沢山ありますが、定着したのは2つ。
1つ目はスロージン、アマレット、サザンコンフォート、オレンジジュース。
2つ目はウォッカ、アマレット、サザンコンフォート、オレンジジュース、グレナデンシロップ。
この2つのレシピは1980年代に定着していきました。
●1990年代 【フィッツジェラルド】
1990年代にDale DeGroff 氏がマンハッタンのRainbow Roomで考案。
●1999年 【Sexy Alligator / セクシー アリゲーター】
このカクテルは、1999年後半にマイアミのCesar Diaz氏とRobert Fuentevilla氏によって考案されたもので「Sex With an Alligator」の名前から始まり「Sexual Alligator」とも呼ばれ、広くは「Sexy Alligator」として知られたようです。
シューターカクテルとしても提供されますが、基本はマティーニの一種です。
レシピは、ミドリサワーにシャンボールリキュールをドロップし、イエガーマイスターをフロートしたカクテルです。
初期のものはシャンボールではなくグレナデンシロップが使われていました。
●2005年 【PENICILLIN / ペニシリン】
2005年にニューヨークのSam Ross氏が創作。
●2007年 【Neptune's Wrath / ネプチューンズ・ラス】
2007年頃にシカゴのThe Violet HourのToby Maloney氏が考案したカクテルです。
ラストワードに似たカクテルで、ジン、アブサン、レモンジュース、シュガーシロップ、卵白。
最後に海の神の怒りを表現したブレイミング・シャルトリューズ・ヴェールをドロップするというカクテル。
●2007年 【FINAL WARD / ファイナル・ワールド】
ラスト・ワールドをアレンジしたこのカクテルは、2007年にニューヨークのバーテンダーPhil Ward氏がDeath & Co.で考案したカクテルです。
ライ・ウイスキー、シャルトリューズ・ヴェール、マラスキーノ、レモン・ジュースのショートです。
●2008年 【PAPER PLANE / ペーパー・プレーン】
このカクテルは、2008年にSam Ross 氏が創作したものです。
シカゴのThe Violet Hour のオープンを手伝っていたToby Maloney氏が、ニューヨークのMilk & Honeyで一緒に働いていたバーテンダーのSam Ross氏に、オリジナルカクテルを作るように依頼したのがきっかけで誕生しました。
当初のレシピは、バーボン、アマーロノニーノ、カンパリ、レモンジュースだったそうですが、後に直ぐレシピは調整され苦さを抑えて甘さが欲しいとのことで、材料のカンパリはアペロールに変更されました。
カクテル名は、当時アメリカでヒットしていたM.I.A.の名曲「Paper Planes」に由来しています。
●2016年 【Spicy Dead Lady / スパイシー デッド レディ】
ニューヨークのThe GarretのビバレッジディレクターGrant Wheeler氏が2016年に考案したカクテル。
有名なメスカル・ベースのカクテル「Naked & Famous」のシャルトリューズ・ジョーヌをファレナムに変更しスパイシーさを加えたバリエーション。