今日はカクテル【Blue Light Yokohama / ブルー・ライト・ヨコハマ】をご紹介いたします。
以前からお客様より「ブルー・ライト・ヨコハマ」というカクテルを飲んだという話しを聞いたことがありました。
はじめは「ブルー・ライト」のことかな?と思っていたのですが、他のお客様からもブルーライト・ヨコハマの存在を聞かされました。
青色のカクテルで、同名で紫色もあるとか…
気になり調査を進めていきました。
●大ヒット曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」は川崎工場群の夜景
いしだ あゆみ さんの大ヒット曲に「ブルー・ライト・ヨコハマ」があります。
26枚目のシングルとなる本曲が発売されたのは1968年12月のクリスマス。発売日に10万枚のレコードが売れ、それが10日間続きミリオンセラーになったそうです。
いしだあゆみ さんは、ビクターに所属時代にシングルを23枚を出した後にコロムビアに移籍。
24枚目のシングルからは、橋本淳 氏と筒美京平 氏のコンビが曲作りを担当することになりました。
橋本 氏は26枚目のシングルは、"ヨーロッパや港のイメージの歌" にしたいと思っていたとか。橋本氏は横浜の街をあちこち歩いてみましたが、一向にタイトルが浮かばず...
夜になって港の見える丘公園まで登った時のこと。当時は一面真っ暗で、公園から遠くを眺めると、紫っぽいような、青っぽい光が海に照り返っている川崎工場群を発見。探していたイメージの光景がそこにあり、その場で「ブルー・ライト・カワサキ」というタイトルが浮かんだそうですが、さすがにそこはカワサキではなくヨコハマが良いのでは?となり最終的に「ブルー・ライト・ヨコハマ」に決定したという。
橋本 氏いわく、横浜は元々青くなかったという。曲がヒットしたことで、夜のライトが青に変わっていったと語る。
●青いブルーライト・ヨコハマ
青いカクテル「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、1960年代後半に誕生したものです。
1つ目となる「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、横浜・関内の「カクテルバー・パリ」の田尾多三郎 氏のオリジナルです。
田尾多三郎 氏は、大正時代に貿易会社の南米アルゼンチン支社長として活躍し、帰国後の1923年の関東大震災の後に伊勢佐木町でカクテルバー・パリを開店。1945年5月に空襲で焼失となりますが、戦後は野毛山に移転し、1963年には現在の常盤町に移転する。
ブルー・ライト・ヨコハマは、常盤町に移り数年後に創作されたものです。
1971年に田尾多三郎 氏が他界されているので、ブルー・ライト・ヨコハマは、最後の創作カクテルとなりました。
カクテルは曲が発売となる1968年12月25日より前に創られ、曲のリリース直前キャンペーンで歌われた頃に創作したようです。
【Blue Light Yokohama No.1 】
レシピ
ウォッカ 30ml
ブルーキュラソー 15ml
フレッシュ・レモンジュース 15ml
シェークしてカクテル・グラスに注ぎ、レッドチェリーを沈める。
1960年代は、日本でもウォッカ・ベースのカクテルが人気となった頃で、スクリュードライバーが流行し、ブルドッグが鎌倉で1966年に登場。ウォッカ・ベースの創作カクテルが沢山作られていました。
青色のショートにレッド・チェリーが飾られたルックスもよくあったスタイルで、また青色のカクテルといえば、1967年にスカイ・ダイビングが登場し青いカクテルがブームだったことから、このカクテルを拝見した時に、60年代頃のカクテルであろうと確信するものでした。
またカクテルバー・パリ様は、バイオレット・リキュールを使用するレシピもあることもご存知でした。
"紫色のブルーライト・ヨコハマ"も調査することにしました。
●紫色のブルーライト・ヨコハマ
1969年に発売となった「ブルー・ライト・ヨコハマ」を収録したテナーサックス奏者の山本こうぞうのLPレコードのジャケットは紫のイメージで、紫色らしきカクテルが写る。ん?これはバイオレット・リキュール版のブルーライト・ヨコハマなのだろうか?と想像するものでした。
川崎工場群が紫っぽいとの表現もあるので紫のブルーライト・ヨコハマがあってもおかしくないでしょうか。
紫色のブルーライト・ヨコハマは、カクテルバー・パリ様のレシピがアレンジされていったものなのだろうか?もしくは別で発生したレシピなのだろうか?古い日本のカクテル本にレシピ紹介など文献がなかなか出てこず...
大ヒット曲発表以降で近い年の紫色の創作カクテルに、1971年 札幌オリンピック記念カクテルコンペティション 優勝作品で森章 氏作の「ブルー・レディ」がありました。ウォッカ1/2、パルフェタムール1/3、ライム・ジュース1/6をシェークしたショートです。なんだか近いレシピな気がしましたが違うようです。
横浜で1950年から60年代創業の老舗バーや大先輩に聞き込みすることに。
紫色のブルーライト・ヨコハマを提供されていらっしゃるバーが銀座にございました。
銀座7丁目の「The Bar 草間 GINZA」様。
紫色のブルーライト・ヨコハマをいただくことが出来ました。
日没横浜のヴィーナス・ヴェルトを思わせる美しいカクテルでした。
こちらのレシピは、草間 常明 大先輩のオリジナルで、パリ様のものとは別に後に創作されたものでした。ブルームーンが紫のように、ブルー・ライトを紫で表現したものとのことでした。
【Blue Light Yokohama No.2 】
レシピ
ウォッカ 30ml
パルフェタムール 15ml
フレッシュ・レモンジュース 15ml
シェークしてカクテル・グラスに注ぐ。
デコレーションは無しですが、偶然にもパリ様のレシピのブルーキュラソーをパルフェタムールに変えたものでもありました。
共に再現性のある作りやすいレシピです。
ブルーライト・ヨコハマ是非一度お試しいただきたいですね。