2025年4月7日は念願だった英国・コッツウォルズ蒸溜所へ行ってまいりました。
ブランドの魅力を皆様に少しでもお伝えできるよう色々と勉強させていただきました。
イングランドの中部、オックスフォードの北に位置する美しいコッツウォルズ地方ウォリックシャーにあるコッツウォルズ蒸溜所。
宿泊していたバンベリーから20km。
車で20分程で到着いたしました。
2014年にウイスキーに情熱を傾けるダニエル・ゾー氏によって設立されたこの蒸溜所は、コッツウォルズの美しさと伝統を反映させた高品質で多数の受賞歴のあるウイスキーやジンなどを生産しており、急速に名声を博している注目の蒸溜所です。
蒸溜所立ち上げには重要な役割を果たされた2人の方がおられます。
元ボウモアのマスターディスティラーで50年以上ウイスキー業界に関わられた専門家ハリー・コックバーン氏と台湾のカヴァランやアナンデールなど数々の新興蒸留所にも深く関与した高名な蒸溜所コンサルタントであるジム・スワン博士の指導のもと、2014年に製造を開始されました。
写真上の方がコッツウォルズ蒸溜所の創設者兼CEOのダニエル・ゾー氏です。お会いするのは2回目でした。
下2枚の写真はジン用の蒸溜機で、350ℓと500ℓの2機があり今は大きい方だけ稼働とのことでした。
写真下のボットスチル2機はウイスキー用です。
別の場所に更に大きなウイスキー用のポットスチル2機がありました。
コッツウォルズ・シングルモルトウイスキーのモルトは、地元コッツウォルズ産の大麦オデッセイ種です。
ウォーミンスターにある麦芽製造所でフロアモルティングされた大麦麦芽を十分な生産量を確保して造るそうです。
大麦麦芽は粉砕し、発酵は一般的な発酵時間と異なり倍の4日間かけた長時間発酵を行っています。
フルーティーで豊かな風味を生み出すため、イーストは、アンカー社とファーメンティス社の酵母2品種を補完的に使用しています。
マッシュタンには、粉砕したコッツウォルズ産大麦2トンを混ぜ、64℃の熱湯でウォッシング(麦汁にイーストを加えたもろみ造り)します。
これにより穀物からデンプンと糖が抽出されます。酵母はこれらを原料として、ウイスキーのアルコールと香味料を生成します。
この工程で抽出された糖分の多い液体「麦汁」は、ゆっくりと冷却され、発酵槽に送り込まれます。
蒸溜は、特注の銅製ポットスチル(単式蒸溜器)で二度行います。
1つ目の大きなポットスチルは、ウォッシュ・スチル(コッツウォルズ蒸溜所ではROSIEと読んでいる)で、ウォッシュを蒸溜してアルコール度数20度前半のローワインに変える。
2つ目の大きなポットスチルは、スピリッツ・スチル(FANNYと読んでいる)で、ローワインを蒸溜しスピリッツ(ハート)を造る。アルコール度数は全体で約75%
蒸溜した1週間分のスピリッツ(ハート)は、スピリットレシーバー・ウェアハウス・バットと呼ばれるこのタンクでブレンドされ保管されます。
樽に詰める前に加水されアルコール度数は63.5%にし、樽に詰める準備が整います。
コッツウォルズ特有の樽熟成に使われるSTR赤ワイン樽。
STR樽造りの3工程。
まずはShaving (削り)です。樽の内側を削ることでワインの風味をリセットします。
次にToasting (炙り)です。樽材の風味をよりウイスキーに抽出させるように、削った樽の内側をトーストします。
最後はRe-Charring (焼き直し)です。さらに樽の内側を焦がすことで、より深い風味と色を付けます。
STR樽は、樽本来の風味よりもオーク材の風味を強く引き出すことが出来るうえ、熟成が加速されニューメイクスピリッツとの融合が早く、短期間での熟成効果が期待できます。
仕上がりは赤みがかったダークな色合いが特徴。
シグネチャーのシングル・モルトウイスキーには、ファーストフィルのケンタッキー産バーボン樽と、STR赤ワイン樽での熟成により、若いウイスキーとは思えないほどの成熟感で深い味わいを生み出しています。
シグネチャーは、STR樽70%とバーボン樽30%のヴァッティングでアルコール分を46%に調整したものとのこと。
写真下の樽は2014年9月から熟成している第一号。
コッツウォルズ・ディスティラリー・ジャパンの公式Instagramページに少しづつ他の情報をアップしていきたいと思いますので、フォローの方も是非宜しくお願いいたします。
本日はお忙しい中ご対応くださったGlobal Whisky Ambassadorのロブさん、創業者のダニエル・ゾー様、本当に有難うございました!