2020/03/10

横浜の名バーテンダーが残されたカクテル「J.Q.KING」


 本日3月10日は「横浜三塔」の日(2007年より制定)です。
横浜三塔が同時に見える場所は4カ所ありますが、赤レンガパーク、日本大通り、大さん橋の3カ所を巡ると願いが叶うという都市伝説があります。
クイーンズ・スクエアやキング軸のキングモール橋、かつて横浜にあったジャックモールも三塔の流れから名付けられました。

皆様、横浜には横浜三塔に因んだカクテルがある事をご存知でしょうか?

カクテル【J.Q.KING(ジェー・キュー・キング)】です。




横浜三塔の愛称であるジャック、クイーン、キングが名前の由来です。

このカクテルは1998年、横浜中華街の名店Cocktail Lounge GREAT WALLの陳学升 氏が横浜市公式カクテルとして当時創られたカクテルです。

写真下左が、考案者の陳学升 氏です。



1998年は、横浜ベイスターズがセリーグ優勝・日本シリーズ制覇。
また社団法人 横浜国際観光協会と社団法人 横浜コンベンション・ビューローが合併し、横浜観光コンベンション・ビューローが発足し、横浜三塔物語実行委員会が出来た年でした。

GREAT WALLのオリジナル・カクテルとしては、1987年創業からあるとされるウォッカ・ベースにオリジナル・ピーチツリー(日本には1987年に正規輸入開始)を加えたブルーの爽やかなカクテル「SKY WAY」も有名ですが、近年シグネチャーとしておすすめしていたカクテルがJ.Q.KINGで、多くの横浜のカクテル・ファンが一度は飲んだ事があるカクテルではないかと思います。

根岸にある1999年創業の名店バーJ.Q.KINGの店名の由来は、陳 氏のオリジナル・カクテルの名からともされています。



グレート・ウォールのカクテルJ.Q.KINGの写真撮影をさせて頂く際に、いつも小型ライトでカクテルを照らして下さいます。

照らされた緑のカクテルは、ライトアップされたクイーン(横浜税関)を想像させます。


横浜市開港記念館、横浜税関、神奈川本庁舎の横浜三塔がジャック、クイーン、キングの愛称で呼ばる様になったのは、日米開戦以前の1935年から1944頃とされています。


現在のジャックは1917年に建てられ、キングが1928年、今の姿になる3代目のクイーンは1934年に建てられたので、やはり愛称で呼ばれるのは3つの塔が建てられてからと考えられます。


この愛称は塔の名を知らないイギリスの船員達が名付け親とされており、船員には欠かせないトランプからそれぞれの塔に、ジャック、クイーン、キングと呼ぶ様になったといいます。

三塔の中でメインの塔は、神奈川本庁舎のキングではなく、実は横浜税関のクイーンです。


塔の高さはジャックが36m、キングが49m、クイーンが51mとなっています。
1934に3代目となる税関が建てられ時、当初の計画ではキングより低い47mでした。
しかし当時の税関長が「横浜港は国の表玄関だ。諸外国の船が入港してくる日本の表玄関の国の建物が何故県の建物より低いのだ!」との一声で予定より4m高く建てられました。
塔の立場・権威を順にすると、国のクイーン、県のキング、市のジャックとなる。

緑の帽子と呼ばれるクイーンのドームは自然色です。
塗装ではなく元々銅でつくられ写真下の様に茶色でした。


時と共に緑青し、現在の緑のドームとなりました。

話しはカクテルJ.Q.KINGに戻りますが、今年の横濱インターナショナル・カクテル・コンペティションのクリエイティブ部門は【J.Q.KING】を課題にさせて頂く事になりました。


レシピは、グレート・ウォール様のご了承を頂きましたので紹介させて頂きます。


カクテル名「J.Q.KING」

ホワイトラム 20ml
ミドリ 15ml
クレーム・ド・バナナ 5ml
グレープフルーツジュース 40ml

シェークして、大きめなカクテル・グラスに注ぐ。





写真上は陳氏が2015年に海外でゲストシフトをした際のバージョンのレシピ。

クリエイティブ部門に出場を希望される皆様、是非ご応募もお待ちしております!

また今夜は横浜中華街グレート・ウォールでJ.Q.KINGを是非お楽しみ頂きたいです。

横浜の名バーテンダー故・陳学升 氏に敬意を!