2026/04/12

銀座にあった古川緑郎 氏の伝説のバー「クール」

 1929年、古川緑郎 様は13歳の時、西川千代 氏が経営していた銀座の「サン・スーシー」の少年ボーイ募集でバーの世界に入ったといわれます。

師匠は大正時代の東洋汽船外国航路のキャビンバーテンダーであった高橋徳兵衛 氏。

高橋 徳兵衛 氏は横浜のカフェ・ド・パリ(現在の横浜・関内のカクテルバー・パリ)の初代チーフ バーテンダーで、日本バーテンダー協会創立発起人15人の1人で、その後1923年12月に開店した銀座サンスーシに移られた方。サンスーシの内装デザインは、カフェ・ド・パリのオーナー・バーテンダー 田尾多三郎 氏の奥様の姉に協力してもらい。バーテンダーの高橋徳兵衛氏も送り込んだといわれます。


古川緑郎 様は、修行後の1948年に独立となり、銀座8丁目に「クール」を開店。店名は横浜のカフェ・ド・パリのお客様だった谷崎潤一郎 氏が命名した。

店名のクールのスペルはCool ではなく「Kool」。

メンソール入りのたばこのパッケージの色と緑郎 様の緑にかけてとのことで、看板も緑色でした。

1971年にはコリドー街銀座7丁目に移り、2003年11月19日の古川緑郎 様の米寿(88歳)の誕生日のタイミングに閉店となりました。

最終日はコリドー街の角を曲がったところまで行列ができたそうです。

また2003年はミスターバーテンダーも受賞された年でした。

2012年1月7日、享年97歳でございました。


私は1994年に古川緑郎 様が現役でいらっしゃる時代に、お伺いさせていただいたことがありました。当時、私は20歳の若者でしたので古川緑郎 様が直接作られるカクテルをいただくことは叶いませんでしたが、お店のオリジナル・カクテルをいただいたことがありました。

オリジナル・カクテルも沢山ありましたが、一部紹介させていただきます。デコレーションには全てミント・チェリーが入り、古川緑郎 様のお名前の「緑」のチェリーが飾られていました。


【Kool Original  Cocktail】


●クールNo.1

ウォッカ1/2、キルシュ1/2をシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.2

ホワイト・ラム1/3、ガリアーノ1/3、レモン・ジュース1/3をシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.3

テキーラ2/3、ドライ・ヴェルモット1/3、アンゴスチュラ・ビターズ 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.4

ウォッカ1/2、サザンコンフォート1/2をシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.5

ダークラム2/3、ドライ・ヴェルモット1/3、アンゴスチュラ・ビターズ 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.6

ブレンデッド・スコッチ1/2、ドランブイ1/2、アンゴスチュラ・ビターズ 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.7

バーボン2/3、ドライ・ヴェルモット1/3、アンゴスチュラ・ビターズ 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.8

ウォッカ2/3、フレッシュ・ライム、ジュース1/3、グリーン・ミント・リキュール 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.9

ウォッカ1/2、リカール1/2、グリーン・ミント・リキュール 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.10

カナディアン・ウイスキー40ml、角砂糖1個、アンゴスチュラ・ビターズ 2ダッシュ、氷を入れたロック・グラスに注ぎビルド。ミント・チェリーを沈める。

●クールNo.11

ドライジン1/2、キルシュ1/2をシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。


●クール・スペシャル

ロンリコ151ラム2/3、ドライ・ヴェルモット1/3、アンゴスチュラ・ビターズ 1ダッシュをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。ミント・チェリーを沈める。